2019.04.02
イベント
2019年4月2日〜19日に豊後大野市緒方町にある「原尻の滝」周辺で「第27回おがたチューリップフェスタ」が開催される。
毎年多くの観光客で賑わうおがたチューリップフェスタは、原尻の滝周辺の畑が100種類約30万本のチューリップで埋め尽くされ、春の訪れを知らせるイベントとなっている。
土日には、地元を中心としたさまざまな催しがおこなわれ、4月6日(土)にはオープニングセレモニーに合わせ地元中学校吹奏楽部による演奏や、地元保育園の子どもたちの合唱・ダンス、子ども神楽、フォークダンスなどが催される。
4月13日には、ライブペイントアーティスト・新宅百絵さんによる九州初開催となるアートワークショップ「絵の具であそぼう」(参加費:無料)や手作りトレイン、県警音楽隊などの演奏も行われる。13日のイベントは地元有志の「おがたまちおこしたい」が主体となっており、チューリップフェスタ実行委員会とともに豊後大野市の魅力を伝えようと積極的な動きを見せている。
地元有志の「おがたまちおこしたい」は、この冬に原尻の滝周辺の道路にイルミネーションを灯し続けた30代が中心の若手団体で、地域を盛り上げようと奮闘している。急速に高齢化が進んでいるこの地域において、こうした若手団体と積極的に協力してイベントを盛り上げようとする動きは、おがたチューリップフェスタのみならず、ほとんどなかった。地域を盛り上げようと若手たちが立ち上がり、積極的に関わっていく動きは、豊後大野市にとってもプラスに働くに違いない。
今年で27回目を数える同イベントのスタートは「高齢者生きがい対策」の一貫としてチューリップを植えたものだった。
この地域は夏の稲作の裏作として麦を植えるが、裏作を行う人が少なくなってきたため夏に支障をきたさないものとしてお花を植えることを始めたそうだ。平成2年、地元発起人と緒方町の「六十路会」、「五十鈴会」とともに2,500球のチューリップを植えたところからチューリップフェスタの前身はスタートした。
翌年には、倍の5,000球にもなり少しずつ原尻の滝を訪れる観光客にも認知が広がり、平成5年に行政も加わり試行錯誤を繰り返しながら「第1回チューリップフェスタ」が開催された。現在では約30万球100種類のチューリップが咲き誇るまでに成長し、この時期になるとインスタグラムにも「#チューリップフェスタ」ではおがたチューリップフェスタの投稿も多く見られる。
第27回おがたチューリップフェスタがスタートするが、前述のように今までなかったような動きも見えてきた。こうして現在も変わらずチューリップフェスタが開催されるのも先人たちが繋いできた努力もさることながら、移住者や地元の若手が中心となって新たに地域を盛り上げるためのきっかけを作ろうと奮闘をしている。
こうした豊後大野市にいる若手の奮闘はまだまだはじまったばかりだ。高齢化が進む地域で、地の利を生かして工夫するイベントは全国に五万とあるが、共通していえることは“住んでいる地域を盛り上げたい”ということ。“盛り上がったかどうか”の指標をどこに置くかはまたの機会にするとして、その地域が楽しい場所だと感じるのは、地域の方々が笑顔で本気で楽しむ姿じゃないだろうか。本気で楽しんでいるからこそチューリップフェスタに足を運んでくれる観光客もその楽しみが伝播し、外へと伝えていく。そこに地域と集まる観光客とのカンケイが少しずつ生まれ、また来年につながるようなイベントになるのではないだろうか。
地域の方々が植えた30万球のチューリップたちは、きっと今年も色とりどりの笑顔を見せてくれるに違いないだろう。
開催概要
タイトル | 第27回おがたチューリップフェスタ2019 |
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日時 | 2019年4月2日(火)〜4月19日(金) |
場所 | 豊後大野市緒方町 道の駅原尻の滝周辺/ホコ天 |
問い合わせ先 | 豊後大野市役所 緒方支所 0974-42-2111 |
主催 | チューリップフェスタ実行委員会 |